劉 慈欣『三体0 球状閃電』

読み終わった本の記録。

ずっと手を出せずにいましたが、『三体X』を読んだ勢いでようやく。

あとがきから知ることができるのは、本作『球状閃電』が書かれたのは、三体シリーズより前であること。だから三体ワールドと直接の繋がりは無い。

私はこれを知らなかったので、「いつ三体星人出てくるんだ?智子は?」とソワソワして読んでいました。結果、だいぶインタラクティブな読書となった気がします。

主人公 陳博士、軍人の林雲。そして三体に登場する天才物理学者の丁儀。主にこの三人だけしか押さえられていない。初読だと周辺の関係者まで追えない😣

球電(雷球、ボールライトニング、サンダーボール)を巡る、発見と理論と応用。授業のようですね。最初の“プレリュード”からおもしろくて、勝ち確ではありました。

主人公の喜びや葛藤を一緒になって感じとりやすかった。人間ドラマの部分に湿度があって良い。元の作品がそうなのか、翻訳がこなれているのかはちょっと分からないけれど。

スピード感や技術的な面は三体Ⅱの感じに近く感じた。(Ⅰは序章、ⅢはハードSFみが強い)その意味であの感じの風を感じたいという人にはおすすめしやすい。繰り返しになるけど、三体本編や星人との密な関わりを求める場合は肩透かしになる。後半ちょっと、匂わせはありつつも。観測者そこでもってくるのか!というギミックが、たぶんみんな嬉しい。