N・K・ジェミシン『第五の季節』

第五の季節 〈破壊された地球〉三部作 (創元SF文庫)作者:N・K・ジェミシン東京創元社Amazon 読み終わった本の記録。Kindle版。 「破壊された地球」という3部作の1作目。 エッスン、サイアナイト、ダマヤ。女性たちそれぞれで語られる時代と〈季節〉の物…

藤岡陽子『満天のゴール』

満天のゴール (小学館文庫)作者:藤岡陽子小学館Amazon 読み終わった本の記録。 Webのインタビュー記事で目にして読みたいリスト入り。借りてきた。 キャラクターがそれぞれに近すぎて、少々都合よく話が進みすぎではと思う箇所もありつつ。 描きたいテーマが…

今村翔吾『塞王の楯』

塞王の楯 上 (集英社文庫)作者:今村翔吾集英社Amazon 読み終わった本の記録。単行本。 大事にゆっくり読みたくて、2週間くらいかけて読んだ。随所で大きく感動してしまって、胸と涙をおさえながら。 穴太衆 飛田屋の匡介。石積みの才を見出されて「塞王」を…

奥田英朗『東京物語』

東京物語 (集英社文庫)作者:奥田英朗集英社Amazon 読み終わった本の記録。 すごく読みやすかったが、しかしすごく印象に残る作品だった。勝手に抱いていた著者のイメージが変わったかもしれない。泥くさくてカッコいい。 著者のプロフィールを知ってしまうと…

中山七里『いまこそガーシュウィン』

いまこそガーシュウィン作者:中山七里宝島社Amazon 読み終わった本の記録。 このシリーズの中でも、特に読みやすかった。2日で一気に読んでしまった。 ガーシュウィンも『ラプソディー・イン・ブルー』も恥ずかしながら知らなかった。こういう作品で知らない…

奥田英朗『邪魔』

邪魔(上) 新装版 (講談社文庫)作者:奥田英朗講談社Amazon 邪魔(下) 新装版 (講談社文庫)作者:奥田英朗講談社Amazon 読み終わった本の記録。 この筆者の簡明な文章が好き。一文が短めで淡々とリズムよく重ねられていく感じが良い。登場人物たちの「ままな…

前川誠郎『西洋音楽史を聴く』

西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質 (講談社学術文庫)作者:前川誠郎講談社Amazon 読み終わった本の記録。 2019年第1刷。意外に最近の書籍だった。原本は2006年の刊行だったもよう。 自分にこの分野の知識と感性が正直まったく欠けている…

中山七里『おわかれはモーツァルト』

おわかれはモーツァルト (宝島社文庫)作者:中山七里宝島社Amazon 読み終わった本の記録。 読みやすさよ。昼から読み始めて一気に読んでしまった。 岬洋介の帰還からの日本編。ショパン・コンクール編を読んでいた読者へのサービス極まれり。 モーツァルトっ…

中山七里『もういちどベートーヴェン』

もういちどベートーヴェン (宝島社文庫)作者:中山七里宝島社Amazon 読み終わった本の記録。 先日読了の『合唱』のひとつ前。勢いで、朝から読み始めて晩に読み終えられた。久しぶりに素敵な読書体験だった。 天生というキャラクターも、岬洋介が颯爽と現れる…

貴志祐介『雀蜂』

雀蜂 (角川ホラー文庫)作者:貴志 祐介KADOKAWAAmazon 読み終わった本の記録。 うーん。出版側や仕事の都合もあるだろうけど、仕上がりが正直良くない気がする…。 描写が散らかって見えてしまって、長編の長さにするための装置では?と、良くない見方をしてし…

中山七里『合唱 岬洋介の帰還』

合唱 岬洋介の帰還作者:中山七里宝島社Amazon 読み終わった本の記録。 作家生活10周年を記念して、デビュー元の宝島社から刊行されたという背景があるらしい。あとがきより。 『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』といったこれまでのタイトルの…

森見登美彦『熱帯』

熱帯 (文春文庫)作者:森見 登美彦文藝春秋Amazon 読み終わった本の記録。 初版2018年。当時、よくテレビで特集されていたのを覚えている。王様のブランチとかで見た記憶がある。直木賞の候補作品に入っていたとのこと。 『千一夜物語』アラビアン・ナイト。…

三浦しをん『墨のゆらめき』

墨のゆらめき作者:三浦しをん新潮社Amazon 読み終わった本の記録。 テーマ 書道。これは読むしかないと心待ちにしておりました。 しかもなんですかこれは大変です。『まほろ駅前多田便利軒』以来の強いBLの香り。俺得。 チカ(続力)、遠田薫、カネコさん、…

山本甲士『ひなた弁当』

ひなた弁当 (小学館文庫)作者:山本甲士小学館Amazon 読み終わった本の記録。 この著者の方の本は明るく暖かいものが多くて、実は好きなのです。 最近自分がくさくさしているので、すがるように選びました。大正解でした。 リストラ後の立ち直る過程。野草や…

NHK『笑わない数学』

笑わない数学KADOKAWAAmazon 読み終わった本の記録。 素晴らしい取り組み。NHKの良い仕事。 「ガロア理論」になるとめちゃくちゃ難しくて、何書いてあるのかぜんぜん理解できる範疇ではなかった。 全体を通してライトめの紙面だが、しかし踏み込むところは踏…

伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』

再読。2回目だと思ったら3回目だった。 よい作品は何度読んでもよいものですからね。自分の記憶力が心配になりますけれども。 s15i.hatenablog.com s15i.hatenablog.com 読むたび、ウインストン小野が可愛くて素敵だなと思う。 入り組んだ構造の作品だから、…

三浦しをん『好きになってしまいました。』

好きになってしまいました。作者:三浦しをん大和書房Amazon 読み終わった本の記録。 しばらく重い本をずっと読んでいたので、軽めの文章を読みたかった。大正解でした。 エッセイ集をたまに読むと、「仕事としていただいた枠で、最大限に文章で楽しませる」…

宮部みゆき『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』

青瓜不動 三島屋変調百物語九之続作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「青瓜不動」「だんだん人形」「自在の筆」「針雨の里」 「青瓜不動」タイトルでもう勝っている。行然坊の再登場に歓喜があり、お勝のしなやかさに憧れる。おちかの出産に際してイ…

宮部みゆき『よって件のごとし 三島変調百物語八之続』

よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「賽子と虻」「土鍋女房」「よって件のごとし」 「賽子と虻」めっちゃいい。千と千尋のような、神々の跋扈する世界の様子。富次郎のひょうきんさと芯の強さも…

宮部みゆき『魂手形 三島屋変調百物語七之続』

魂手形 三島屋変調百物語七之続作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「火焰太鼓」 「一途の念」 「魂手形」 これまでが短編と言いつつ長い作品が多かったから、相対的にちょっと短めに感じる。短編集として向き合う場合、普通はこれくらいが読みやすい…

宮部みゆき『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「泣きぼくろ」「姑の墓」「同行二人」「黒武御神火御殿」 聞き手になった富次郎の駆け出し。 比較的あたたかい作品が多かった。 「姑の墓」は怖さもありながら…

宮部みゆき『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「開けずの間」「だんまり姫」「面の家」「あやかし草紙」「金目の猫」 読み終わった本の記録。 表題作「あやかし草紙」で、おちかが嫁入り。これまで語られてきた…

宮部みゆき『三鬼 三島屋変調百物語四之続』

三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」 読み終わった本の記録。 これまでよりぐっと分厚い本の、そして4編。つまり1編が長く、ちょっとした1冊分くらいあ…

宮部みゆき『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』

泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「魂取の池」「くりから御殿」「泣き童子」「小雪舞う日の怪談語り」「まぐる笛」「節気顔」 読み終わった本の記録。 「さんのつづき」ってのがおしゃれです。この作品…

宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』

あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 読み終わった本の記録。 収録作品:「逃げ水」「藪から千本」「暗獣」「吼える仏」 「薮から千本」からお勝、「暗獣」から若先生(青野利一郎)が登場する重要な巻のような気がす…

雨穴『変な家2』

変な家2 ~11の間取り図~作者:雨穴飛鳥新社Amazon 読み終わった本の記録。Amazonのプライム感謝祭でつい買ってしまった。 別にファンという自覚は無いんだけど、これで計3冊もKindle版で買って読んだことになる。熱狂的に好きな人みたいだ。今読まれている…

宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)作者:宮部 みゆきKADOKAWAAmazon 収録作品:「曼珠沙華」「凶宅」「邪恋」「魔鏡」「家鳴り」 読み終わった本の記録。 時代小説は苦手という意識があって遠ざけてきてしまったのだが、ついに宮部みゆきのライフワー…

再読。恒川光太郎『スタープレイヤー』

スタープレイヤー (角川文庫)作者:恒川 光太郎KADOKAWAAmazon 読み終わった本の記録。再読。 読んだの6年前か。大筋は覚えていたとはいえ、装置と仕組みしか覚えておらず、細かいところやプロット、主人公の性別さえ覚えていなかった。自分がちょっと心配に…

奥田英朗『我が家のヒミツ』

我が家のヒミツ (集英社文庫)作者:奥田英朗集英社Amazon 読み終わった本の記録。 虫歯とピアニスト 正雄の秋 アンナの十二月 手紙に乗せて 妊婦と隣人 妻と選挙 まさかのシリーズ物でした。『家日和』から始まる家シリーズというものらしい。しかしあとがき…

辻村深月『嘘つきジェンガ』

噓つきジェンガ (文春e-book)作者:辻村 深月文藝春秋Amazon 読み終わった本の記録。刊行2022年。こんな最近の本を手に取ってしまって恐縮ですわ。税金でいっぱい買ってもらおう 2020年のロマンス詐欺 5年目の受験詐欺 あの人のサロン詐欺 タイトルで分かるよ…