伊坂幸太郎『死神の浮力』

読み終わった本の記録。

千葉シリーズの2作目。今度は長編。重いテーマながら、千葉さんの相変わらずの生真面目なズレた受け応えが軽妙で救われる。

一貫して死を描きながら、そうだな私なんかも死はいずれ誰にでも自分にもやってくるという諦観はある方なんだけど、不思議と「ああもう少しだけ力を入れて生きてみるのも悪くないかもしれないな」と感じさせてくれる読後感が良かった。

有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』

読み終わった本の記録。有栖川有栖さんの作品を読むのは初めてだと思う。

先にあとがきに目を通してしまったせいもありつつ、『赤い稲妻』が特に好き。

いずれもミステリーとして“ありそうな題材”なのに、解法に至ったとき初めて目にするような短編ぞろいだった。

津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』

読み終わった本の記録。Kindle版。

著者2冊目読み終わり。とても映像的にみえた。読書の認識さえ揺さぶりにかかる書きぶりは、著者一流だと思う。

根底に流れる暗さ、不穏さ、そして生活臭さが、事象の荒唐無稽さと不協和音のように鳴り続ける。明るいのに怖い、暗いのに楽しそうみたいな。小説はこんなにも広いんだ。

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』

読み終わった本の記録。Kindle版。

楕円曲線とモジュラーについては、圧倒滴な難しさで分からなかったものの、数学者たちのスペクタクルドラマがただただおもしろかった。

途中で挫折したものの、数学、特に数論の分野を傍目に見ているのは好きです。純然たる美しさと正しさがある。

一番の衝撃は、インドの0とアラビア数字の発見・発明が、ピタゴラスほか数学の偉大な発見よりずっと後のことだったということ。

津村記久子『エヴリシング・フロウズ』

読み終わった本の記録。

良かった。ミステリーやサスペンスは起こらないけれど、先がとても気になって読んでしまう。中学生時分の、漠然とした不安や人間関係にふらりふらりと揺れる情景がありありと浮かんでくる。

ヤザワくんがとてもいい。こんな友達が一人いるだけで、地面に立っていられる力になるんじゃないだろうか。

大阪の人や街を知っていたら(私は知らないのだけれど)ずっと、身近に感じられるだろうと思う。