宮部みゆき『魔術はささやく』

魔術はささやく (新潮文庫)

魔術はささやく (新潮文庫)

再読記録。図書館に行けなかったので、本棚から取り出してきた。

恥ずかしいことにあまり再読する習慣がなくて、初めて読んだのがいつだったか、全然思い出せない。そして内容もいくつかのキーワードしか覚えていなかった。

やはり超絶うまい&おもしろい。

パソコンも携帯電話も自動ブレーキもない時代(奥付には平成5年発行とある)もはや古典に片足入れているような気さえしますが、語りのうまさには色褪せるところがない。

伊坂幸太郎『グラスホッパー』

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

読み終わった本の記録。

存外に難しかったぞ。難しいこと考えずに乗せられるように読んでよかったんだろうか!

殺し屋たちの物語。久しぶりにヒトシニが出る作品を読むと、わたしって案外ピュアだわね、と思いを新たにする。感情移入するには個性的すぎる面子と舞台。そうじゃなくて、たぶんもう少しドライにかまえるといいのかな。

あえて細かい描写が省かれつつ、「あー!」「あ、なる、あー」とさすがのラストジェットコースターが気持ちがよかった。

道尾秀介『月と蟹』

月と蟹

月と蟹

どうしてぜんぶ、上手くいかないのだろう。

読んだ本の記録。あっという間に読まされてしまった。

なんて言えばいいのだろう。たぶん子供から大人になる過程の、誰にでもある感情と関係のゆらめきなんだろうと思う。自分はもういつの間にかそういう瑞々しさを失ってしまったけれど、確かにあった。

どうにもならない世界と、どうにかしたいというエネルギーと、どうにでもなってしまえという残酷さ。

ある意味で「ありふれた」事柄を、主人公の目、筆者の目を通してとても鮮やかに描かれていたように思う。

荻原浩『サニーサイドエッグ』

サニーサイドエッグ (創元推理文庫)

サニーサイドエッグ (創元推理文庫)

読んだ本の記録。

s15i.hatenablog.com

こちらの続編を探して図書館を徘徊していたら、ふつうにありましたよ。ラッキー。

今回は「美人秘書」が交代してのハードボイルド活躍劇。見た目以上に本文が長いのですが、随所に出てくるチャンドラーとフィリップ・マーロウににやりとする箇所がたくさん。

存外に暗かったり考えさせらたり、ほろりとする場所も多かった。

恒川光太郎『秋の牢獄』

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

読んだ本の記録。

『夜市』『竜が最後に帰る場所』に続いて、読んだのは3作品目。

言葉のセンスが圧倒的。冒頭3行くらいですっと入り込めてしまい、そのままずっと不思議な世界をたゆたっているような感覚がずうっと続く。難しい言葉や遠回しな表現があるわけじゃないのに、五感を吸い寄せられるような感じがあって、くせになります。静かなエネルギーがすごくて、恒川ワールドにしばらくひたっていると「現実に戻れなくなっちゃう!」って心配になる。

「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の3篇。表題にもなっているある種の〈牢獄〉がテーマにあったりするのかしら。「幻は〜」なんかはちょっと恩田陸『常野物語』を思い出したりした。

11月7日を繰り返す。タイムリープものというのは古今東西あるでしょうが、ここまで繊細なものは初めて触れたかもしれない。

個人的には「神家没落」の雰囲気が好き。