山本文緒『群青の夜の羽毛布』

読み終わった本の記録。Kindle。1年前くらいに購入していた。

毒親」ないし、今だと「ヒス構文」にあたる部分の描写は、身に覚えがあって胸がギュッとして耳がキーンとなった。物語でこれを描いてくれることで、救われる人がいると思う。私のように。

完全なものが無いように、完璧な人も親も居ないのだろうと思う。だからこそ、対話と改善のチャンネルを閉ざされてはいけないのだろうと思う。無知の知。不完全の自覚がある環境なら、届く光も多少はあるでしょう。

良い息子、良い娘であれという呪いには、どう抗えるだろう。尊厳を尊重して良いということに、どうしたら気が付けるだろう。

物語の組み立てに無理がなくて、すごく読みやすかった。