川越宗一『熱源』

読み終わった本の記録。

少し前の直木賞受賞作で、なんかそのとき「これは読みたいな」と思った記憶があった。図書館での読書で申し訳ない。

直木賞の幅の広さをまた感じる。こういったタイプの書籍も受賞するんだなと。私の不慣れで分からないなりに、これは「伝記」や「ノンフィクション」ないし、史実を元にしたフィクションだろうと思う(巻末の参考文献の量!)ひとくちに「物語」とは違う。

中盤まで読んで、骨太だ!と感じる。一時の出来事や事件ではなく、何十年・何世代にも亘るアイヌを中心とした「叙事詩」でした。

タイトルにもなっている「熱」であります。これが要所で効いています。章ごとに、それぞれの人物たちに「熱」を与えてくれるものがある。読者もきっとその熱を感じずにはいられないと思う。