三浦しをん『風が強く吹いている』

風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

読んだ本の記録。小説ってすごいなと思った。どうしたらこんな物語が書けるようになるんだろう。

今更なんですけれど。今更なんですけれどようやっと読めた。もう学生でもなく歳をとったし、もともと運動が好きじゃないわたしのような者が手を伸ばすには、前情報が眩しすぎたのです。駅伝って。走るのって。第一それって文章にできるものなのかなって。などといろんな言い訳をしながら。

読んで本当によかった。素晴らしい。そりゃあ代表作になります。現代を代表する作家の一人になります。文句なしです。

中盤以降は細かな描写や台詞にも、何度もうるうるして涙がこぼれそうになってしまう。通勤中や仕事の昼休み中に読んでて泣きそうになるもんだから、もう不審者になるところだった。自分から縁遠いものなのに、応援せずにはいられない。

中心に走とハイジという天才・秀才がありながらも、その周囲の相対的には〈凡庸な〉キャラクター、双子やニコチャン先輩やムサたちにむしろ「がんばれ!がんばれ」ってなる。

よかったなー。幸せな時間だった。