米澤穂信『満願』

読み終わった本の記録。

ずっと読みたいと思ってて、しかし読んだような気が勝手にしていて、なかなか整理のつかなかった作品。珠玉の短編集なので、これは一度読んだら忘れないでしょうね。もちろん初読でしたね。

刊行2014年3月。

  • 夜警
  • 死人宿
  • 柘榴
  • 万灯
  • 関守
  • 満願

それぞれにほんとうに良い。自分は「夜警」と「万灯」が好きだった。語り手の信用ならなさと不穏さ。救いを求める気持ちの強さ。

表題作「満願」を筆頭に、文が洗練されていて心地良い。それに乗せられてふらふらと読んでいると、筆者得意の鮮やかな種明かしに驚かされる。

著者のいくつかの作品を読んできたけれど、今まで読んだ中で一番好き。