池澤夏樹 編『本は、これから』

2010年11月刊行の新書。これからもう13年くらい経ってるわけだけど、電子書籍と言うものにたいして、その黎明期にあった人がどう思っていたかどう感じていたかという記録を残す意味で、マイルストーンになるような本だと思う。

13, 14年ほど。まだなのかもうなのか。Kindleほか電子書籍で買うのは当たり前になった時代です。しかし紙の本は滅びていない。

2023年段階の印象でもしかし、デジタルデバイスで読む習慣は、まだ半々くらいしか受け入れられていないように思う。世代の差もあるかもしれないけど。(現状、私という個人の中でも半々くらい)

ただ「紙」の本は確実に値上がりを続けています。紙が売れなくなる→電子で売るという流れになると、「文庫本」という廉価版は姿を消すんだろうかと、ちょっと危惧している。廉価版として出版流通することで採算を採るというビジネス上の判断でしょうから。電子の世界でも需給圧力はあるにしても、それは「文庫本」である必要が薄い。ただ“値引き”ないし“セール”でもいいのである。