「なぜ嘘をつけないか知ってる? 人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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読了です。
恋愛長編と裏表紙にあるので、恋愛小説に造詣のない分を補おうと思って借りたのですが。これはどうかな。起承転結の「起」で終わってしまったような感じがします。
わかるんですよ。恋愛小説には、殺人もトリックも謎解きも要らないっていうことは。それにしたって不倫しているだけの日常について、淡々と描かれましても〜と感じてしまいました。
「男と女は、恋のとらえ方や嘘のつき方がこうも違う」という教科書として読めばいいのかしらん。しかし、恋愛小説における男女の違いってたぶんそれ自体がその分野のテーマなんでありましょうし、それをとりたてて見出すのも違うような気がする。
夫の方はともかくとして、主人公の瑠璃子さんは「テディベア作家で料理研究家で英語も得意だが、慎み深くセンスのいい美人」って設定がもう完璧超人すぎて移入しようがないのが根本的な原因ではないかと思いました。そんな人がちょっと火遊びしたくらいで、周りも当事者も、もう何も言えませんって普通。
彼女の言動がいちいちオシャレなので、それを楽しむのが正解のような気がします。お茶の淹れ方ひとつで、ハートゲットできるようになりたい。