桂木 希『ユグドラジルの覇者』読了。

ユグドラジルの覇者

ユグドラジルの覇者

図書館で借りてきた本。

「人が死なない、けれど煙草の煙の匂いがするようなハードボイルドが読みたい」という願望で選んだ本。結果としてはドンピシャリでした。

あらすじはAmazonの紹介文に譲りますが、舞台は世界、手段は経済。難しい用語も出てきましたね。

難しい本を寝ながら読んでいると眠気が襲ってくるので、睡眠導入用で枕元で読んでいました。

久しぶりに人物造形を文章で描き込むタイプの本でした。引用ではなくざっくりですが「深い眼窩、短く刈り込まれた髪、がっちりとした体格」とか(めちゃくちゃカッコいいなおい)、「金色の髪、海を思わせるような蒼眼」とか(白人様はお美しい)、そんな感じで。そういう意味で新鮮でしたね。

単行本だけでしょうが、巻末に「横溝正史ミステリ大賞」の選者たちの選評がならびます。両論ありますが、指摘する箇所は似ているような気もします。しかしこういう選評って厳しいですね。

また、読み終わったあとにいくつかWebにある感想も読んでみました。共通するのは大きすぎる風呂敷は一長一短であること、それと登場人物が駒のように配置され使役されるなか、主人公をはじめてとして動機が弱く感じられることでしょうか。

個人的には楽しく読めました。矢野健介とハンナ・ベルカンツがかっこいいので、それだけで十分。

「残る」にはもう少し何かが欲しいなと感じました。