垣根涼介『狛犬ジョンの軌跡』

狛犬ジョンの軌跡 (光文社文庫)

狛犬ジョンの軌跡 (光文社文庫)

読み終わった本の記録。昼間から読んでいたらぐんぐん読めてしまった。

垣根氏の作品は、昨今には珍しい「ハードボイルド」の味である。犬と車と料理を傍らに、まぁ主人公がだいたいカッコイイのである。

黒犬と舞台設定と、挿入される主人公の屈託がまぁそこまで隣り合わないのであるが、ニンゲンというのはそういうもののような気もする。

Jの最低限の語り口がかわいい。

単行本で読んだけど、文庫本の書影がいいな。蝶がひらひらしている。目立って言及されていないけれど、どちらの書影にもある「Feedom, responsibility, lonliness」が描き出したかったテーマなんだろうか。