辻村深月『かがみの孤城』上・下

ついに読み終わってしまった。ずいぶん前に「文庫になった!」というタイミングで購入してあったんだがしかし、読むのがもったいなくてずーっと積読にしていた。

1日で上・下巻を読み終わってしまった。日中、仕事の間どんだけ暇だったのかという問題はあるんだが、それにしても夢中になって読んでしまった。

集中力が高かったせいか、重要なギミックのうちの1つはなぜか早い段階で予想がつき当てられた。それを差し置いても、読ませる力がめちゃくちゃ強い。言葉を重ねる精度が相変わらず高いなと技巧的な面にさえ感動してしまう。

辻村作品にはたまに、びっくりするくらい暗くて心が沈むのがあるんだけど、そこまでそこまでではなくて良かった。いわゆる「クローズドサークル」と言っていいと思うんだけど、ミステリとサスペンスとファンタジーは時代とともに深化しているなとまじで感じる。

安易なカタルシスはくれないけれど、きちんとした推論と結論と、優しい視点をくれる。