瀬尾まいこ『僕の明日を照らして』

読み終わった本の記録。

難解ではなかったこともあって、どんどん読めてしまった。

読み手を選ぶ作品だと思う。僕は正直、読後がひどく苦く感じた。「怖い」が一番近い感じだと思う。これはたぶん、自分が基本的に他人のことを信じられないからだと思う。人は愚かだし愚かなこともやるし、その性質は容易には変わらないと思っている。

でも、人を信じられる者、性質や関係の変化を尊ぶような人の目線から見たら、これは救いの物語だと読めると思うんです。

「優ちゃん」の揺れ動き方。「タナケン」の気遣いと疲れ。中学生男女の付き合い方。随所にやたらとリアルさがある。このリアルさがあるから、「現実だってそういうものさな」と差し迫る感じがありました。