柴田よしき『さまよえる古道具屋の物語』

読み終わった本の記録。

ちょっと説明過多かな。と思ってしまった。フォーマットとしては『笑ゥせぇるすまん』のそれである。不思議な古道具をめぐる物語。良い意味でも「見覚えのある」フォーマットを踏襲しているから、その因果を「良い」とか「悪い」とか文中で確定させてしまうのはちょっと無粋な部分があるのでは…と思ってしまった。

久しぶりに「人を書こうとしている」作品だなという感想もある。そのせいか、会話文でずいぶん解説が進むところがあって、それは残念。(第五話 集合)

「第四話 持てないバケツ」の描写はとてもよかった。愛されたいのだろうか。愛せていないのに。さびしいだけだろうか。という逡巡。