中山七里『ヒポクラテスの試練』

読み終わった本の記録。

ヒポクラテスの誓い』『ヒポクラテスの憂鬱』に次ぐ、三作目とのことです。いつの間にか出ていました。

刊行は令和2年6月20日となっています。2020年ということはばりばり、COVID-19の渦中に書かれているんでしょう。これまでの法医学ものとは異なり、パンデミックを軸に書かれている。これがまさに「新機軸」っていうワケだろうか。

小気味よいテンポと会話の妙。先を読ませない展開は健在。今作ではキャシー先生の人物像が深掘りされるので、そういう意味でも既存読者には嬉しいと思う。

しかし、ほんとすごい。当代の商業小説家としては本当に最高峰だなー!とあらぬところで感激してしまう。なんというか、自分がもしどこかの出版社・編集者だったら、この人に頼めば間違いないのではと思ってしまうと思うんだよね。