鬼束ちひろ『Tiny Screams』

Tiny Screams

Tiny Screams

おすすめしたいんです。

CDを買ったわけじゃなくてAmazon Music Unlimitedで聴いているので少し心苦しいのですが、聴きまくってるので許していただきたい。

このアルバムは素晴らしい。

鬼束ちひろさんは昔から好きだったのですが、『DOROTHY』『剣と楓』あたりは難解で、少し距離をおいてしまっていました。これが『シンドローム』で華々しい復活を遂げます。公式でもそのようなプロモーションのようなのでこの表現でいいですよね。

本アルバムは同名のコンサートツアーからの収録で、ライブアルバムという位置づけです。ライブアルバムというととても内輪向けの印象が強い。その歌手が好きな人のなかでも、コンサートに行ってきたからもう一度聞聴きたい人や、コンサートにどうしても行けなくて楽曲だけでも聴きたい熱烈な人くらいしか聴かないくらいのイメージがありました。

そうライブアルバムなんです。しかしベストアルバムなんです。

詳細はAmazonほかメディアに譲りますが、収録楽曲は楽曲発表順になっています。そして歌声も演奏も収録状態が素晴らしい。一発録りのはずなのに。それでいてライブ特有のアレンジがあって『月光』『King of Solitude』なんかは何度聴いてもぞくぞくさせられます。

わりと後期の楽曲『陽炎』が個人的にすごく好きですが、そこからの『惑星の森』『碧の方舟』『夏の罪』なんかは完璧すぎて、どうしちゃったんだろう…。あ、神かな? などという陳腐な感想しか浮かばないですよね。神なんですけどね。 She is a god's child.

この稀有な歌声にできるだけ触れていたい。できるなら『ENDLESS LESSON」も音源化してほしい。『火の鳥』とても好きです。

そして、たくさんの人にこの歌声に触れてほしいと思っています。

ルース・ベネディクト『菊と刀』

菊と刀 (光文社古典新訳文庫)

菊と刀 (光文社古典新訳文庫)

Amazon Prime Readingで読みました。「新訳」ということで、その表現に是々非々レビューはみられますが、読みやすく、おもしろかったです。とは言いながら、読み終わるのにふた月くらいかかってしまいましたが。

書名を初めて聞いたのは中学生くらいだったような気がします。文化比較論の文脈で紹介されて、そのときは単純に「アメリカは罪の文化、日本は恥の文化」と看破した『菊と刀』という本が有名——的なおぼろげな記憶です。

その後何年もの年月を経て、ようやく初めて読みました。もっと堅苦しい内容かと思い込んでいましたが、具体的なエピソードが随所にあって、読む前の印象とは随分違いました。

その刊行の古さなのに、現在の日本人にもほとんどそのまま通じる内容であることに驚きました。もちろん時代や環境がくだって、特に家庭や女性のあり方には大きな変化があったように感じますが、どういう経緯があって今のようなかたちになったのか・なろうとしているのかを知るのに良書のように思えます。

大戦中と大戦後では、この国はまるで別の国のように変わったように見えます。天皇万歳をしていたかと思えば、次にはギブ・ミー・チョコレートになる。不平や不満、そのくすぶりや爆発はなかったのだろうかと。この点は学校で歴史の勉強をしていても不思議だったんです。多様な見方のひとつではあるでしょうが、この変化を「日本人とは」という切り口で解き明かしている部分には目からウロコのような気持ちでした。

文化論・文化比較論としてだけでなく、近代史としても良書のように思えます。

2018年の手帳「NOLTY U」

nolty.jp

今年の手帳を買いました。

いつだったか書いたように思うけれど、できれば「3月始まり」の手帳が欲しいので「4月始まり」のもののなかから、3月の日付から始まっているものを選ぶようにしています。

高橋書店といつも悩むのですが、この「NOLTY U」「NOLTY U365」あたりのシリーズに、制作側の「使いたくなる素敵な手帳を作ってやる!」という情熱を強く感じてしまいまして、浮気してしまいました。

迷っていたのは No.751 リングダイアリー スリム (レフト)|高橋書店 なんですよ。これはA4の書類がしまっておけるクリアポケットがとてもよくて好きなのですが、週間記入欄の数字に長体がかかっているのだけがなんだか惜しくて…。

この1年くらいでだいぶ身辺のデジタル化がすすんで、紙の手帳の活躍の機会が少なくなりました。置き忘れや紛失のリスクがデジタルよりもむしろ大きいように思えるようになって、だいたい職場に置きっぱなしなんですけどね。

それでも買ってしまうのは、カレンダーやメモ、記録としての信頼がやっぱり大きいからなんだと思います。