中山七里『護られなかった者たちへ』

読み終わった本の記録。

ずっと気になっていて、しかしあらすじを読んだだけで内容が“重そう”という理由だけでしばらく手を出せなかった作品。

名作でした。

中山七里作品の中ではプロットが素直ではないだろうか。新聞連載という性質もあるかもしれない。その分、背景や人に焦点が当たっている部分を強く感じる。というかやっぱり文章が上手い。

震災、貧困、生活保護。自分から遠くない場所にあるんですわ…こういう現実は。

制度の問題もある。未成熟な人が制度を悪用する面がある。体面と美徳に縛られて助けを求められていない人がある。これについては「メッセージ」を見い出してもいいと思う。文学や映画というかたちで、届かなかったところに届くかもしれない。


単行本の組みが筑紫明朝だった。けっこう珍しく感じる。Kindle端末で未だにちょっと見慣れないんだけど、本で見るとイイなと感じた。これに合わせる感じでKindleの設定も作ってみた。

それとは別に、ところどころで書体指定が化けてるところがあって、ちょっと不思議だった。