吉田修一『ウォーターゲーム』

ウォーターゲーム (幻冬舎単行本)

ウォーターゲーム (幻冬舎単行本)

読み終わった本の記録。

私が地理と世界情勢に明るくないというのが多分にあると思うのですが、もうひとつ入りきれず…。

水戦争という題材(ネタ)が強すぎるといいますか。周辺にある群像劇がハリウッドアクション映画のそれのように目まぐるしく(その意味でテンポはいいのですが)各キャラクターの造形を追うのでいっぱいいっぱいになってしまった。導入に出てくる「若宮真司」なんかはある意味キャラクターが立ってると思ったし、「石崎」なんかは裏の裏の裏くらい見せてくれるのかとも思った。中盤以降にそれぞれキャラクターがいっそ“消失”してしまっているようにも見えた。