有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』

読み終わった本の記録。有栖川有栖さんの作品を読むのは初めてだと思う。

先にあとがきに目を通してしまったせいもありつつ、『赤い稲妻』が特に好き。

いずれもミステリーとして“ありそうな題材”なのに、解法に至ったとき初めて目にするような短編ぞろいだった。

津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』

読み終わった本の記録。Kindle版。

著者2冊目読み終わり。とても映像的にみえた。読書の認識さえ揺さぶりにかかる書きぶりは、著者一流だと思う。

根底に流れる暗さ、不穏さ、そして生活臭さが、事象の荒唐無稽さと不協和音のように鳴り続ける。明るいのに怖い、暗いのに楽しそうみたいな。小説はこんなにも広いんだ。

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』

読み終わった本の記録。Kindle版。

楕円曲線とモジュラーについては、圧倒滴な難しさで分からなかったものの、数学者たちのスペクタクルドラマがただただおもしろかった。

途中で挫折したものの、数学、特に数論の分野を傍目に見ているのは好きです。純然たる美しさと正しさがある。

一番の衝撃は、インドの0とアラビア数字の発見・発明が、ピタゴラスほか数学の偉大な発見よりずっと後のことだったということ。