柴田光滋『編集者の仕事』

編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)

編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)

良書。気持ちよく読めた。

仕事柄、わたしはどちらかというと下流から眺めることが多いのだけれど、これはもう完全に上流からモノとしての「本」を論じた内容。後続の編集者たちに読ませたい、という向きが強いのかなと感じた。

小説やドラマのなかの「編集者」という存在が、一体どんな仕事をしているのかというその一片が垣間見えるような気がします。

最近、図書館通いのペースが上がっている自分にとってはすごく刺激的だった。本って高価だから単行本って滅多に買えないんですよ。場所もとるし持ち運びも難しいですしね。でも、図書館の棚にはきらびやかな単行本がずらーっと並んでる。一冊一冊がすごくおもしろそうに見える。

そういうのを手にとって、まず表紙を一枚めくるところから。本を手にとったときの見方が変わるように思います。

紙や印刷、あるいは校正にこれ以上踏み込むと、それはもうその専門職だから仕方がないんだろうと思います。

中ほどで書体について触れる部分があるのだけれど、セリフ書体でCentury, Garamondと触れ、サンセリフについてはいきなりFuturaだけに触れるのは珍しいと思った。