辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』

読み終わった本の記録。

すさまじい胆力でありました。中学生という年齢の、その中にある鬱屈や葛藤や自分勝手さ、純粋さをここまで描けるものかと。

昨晩から読み始めて、一気に読んでしまった。

人をバカにして見る視点、自分だけは特別であるという自負。しかしだからといって孤立してはいられない。孤高に憧れながら、外された寂しいやつという烙印は押されたくない。たしかに中二病に罹る年代に特に強く出る。そしてそれはいつどの年代だって、多かれ少なかれ抱えている。だから過去形としても現在形としても、ビリビリと響いてくる。

私は、こういう物語に諦観や距離をもつ人ではなく、どっぷりと浸れる人とこそ仲良くなりたいと思う。