読み終わった本の記録。
「南はかま市」を舞台に、住民誘致から始まる悲劇と喜劇と悲喜こもごも。
万願寺くん(主人公)が健気でかっこいい。あんまりそういう読み方をする人はいなさそうですが。登場人物が多いほうだと思うが、主人公側が整理されているしキャラが立っているので読みやすかった。
一遍ごとにあーありそう!ってなる。そしてそれにまつわる「暗さ」の描写が秀逸で、夢中になってしまった。
文芸誌連載みたいで、初出をみると2010年が最初で、一番古いものが2019年。こうみると、かなり長い期間をかけて書かれたものでそういう意味では意外に珍しいのではないかと思う。
後味が良いとは言えないけれど、鮮やかです。おもしろかった。