伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』

読み終わった本の記録。

こういうの。こういうのが好き! 明るくて穏やかで、すごく読後感がいい。

人と場所と時間のつながりが、少しずつ交差する。小説だから「デキスギ」の部分はあるにしても、私の住む世界だって小さな出会いと交差でデキているんだよなぁ。代わり映えのしない、ともすれば殺伐とした現実世界だけど、ちょっと頑張ってみようと思える。もうちょっとヒトや世界に目を向けてみようと思える。

登場人物も、またぐ時間も多様の舞台で、「あっ」という喜びを感じながら無理なく読める。さすがの筆力。


  • アイネクライネ
  • ライトヘビー
  • ドクメンタ
  • ルックスライク
  • メイクアップ
  • ナハトムジー

辻村深月『きのうの影踏み』

きのうの影踏み (角川文庫)

きのうの影踏み (角川文庫)

読み終わった本の記録。

ちょっと…じゃねえ、ちょっとじゃなく怖いわ!表紙に騙されたわ!ショートショートでした。星新一みたいにページ数に波がある。

「噂地図」「手紙の主」「スイッチ」「だまだまマーク」あたりがやけに印象に残る。

伊坂幸太郎『死神の精度』

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

読み終わった本の記録。

ハードボイルド、ミステリー、ロードムービーと、手を替え品を替える技巧に満ちてる。素直におもしろくてあっという間に読み終えた。小さな違和が素敵な結びに繋がる。読者の読み方を髄までコントロールしているように感じられて、いっそ心地よい。

死を扱いつつも、とても読後感がよかった。