2021-02-08 連城三紀彦『さざなみの家』 本 さざなみの家 (ハルキ文庫)作者:連城 三紀彦メディア: 文庫 読み終わった本の記録。 ある家、ある家族をめぐる連作短編。 疑念や憂慮を過不足なく描くのが本当に上手いと思う。1編ずつは短くほとんど星新一のショートショートのよう。 暗さと不穏さで始まり、素敵な小休止を迎える転回が鮮やか。家族と言えど全部が分かり合えているわけがない。愛憎がある。 夫があり妻があり、その家庭内役割は古くさいといえる描写がある。それぞれの章で描かれ、はっとさせれらるのは、しかし普遍的なんだろうなと感じる。