津村記久子『八番筋カウンシル』

読み終わった本の記録。

複雑に絡んだもやもやを、熱いお茶で飲み下せたような、最後にはもうちょっとがんばろうと思わせてくれるような感じがした。

本書で読書感想文を書け、とか学生の頃に言われたら困ってしまうだろうなと思う。どの場面も人物も、自分であってでも自分からは少し遠い。

回想と現在の繰り返しで描かれるタケヤスやホカリやヨシズミや、その周辺が鮮やかだった。こういう場所や悩みやつながりが、きっとあるんだろうなと思わせてくれる。

少し重い描写もあるにはあるけれど、親子って人生ってそう、難しいよなって思える度合いが丁寧。読後にこう、現実に生きる人にも思いを馳せられたら、少し優しくなれるような気がする。

【カウンシル】(立法・諮問のために召集された人たちの)評議会、協議会、諮問会、(大学などの)評議員会、会議、協議、地方議会