- これほど、ネタバレを先に読みたいと思った小説は初めてである。冒頭の不穏さのフックから、平和警察〈魔女狩り〉の過程が心が痛すぎる。
- 何かのメタファーであり、何かの寓話であるだろうという(例えば独裁や検閲や相互監視社会)メタに意識を飛ばさないと読むのが辛い。
- 私の中にこれほど「ヒーローの登場を心待ちにする気持ち」があったことに驚かされる。
- たいがいのことには絶望し諦観し、斜に構えて世を眺める態度をとっているつもりの私に、文章の間から殴ってくれている。
- 読み終わってみて、第一部が本当にきつかった。第二部〜第五部はまだ読みやすい。いっそすっきりしすぎとさえ言えるかもしれない。
- 『世にも奇妙な物語』にありそうな、ディストピア感。
- 明らかになっている事実と、そこから導かれる意図が何重にも折り重なっていて、鮮やかな文章です。
- 深読みしようと思えばいくらでもできるけど、とにかく「読み終わったあとに世界が違って見える」作品でありました。すごい。