読み終わった本の記録。Kindle版。
2019年9月に買っていたようなのだけれど、もったいなくてずっと積ん読にしてしまっていた。恩田陸さんがようやく直木賞受賞に至ったものということで、読む方もそれなりのガチの態度で臨まないといけないと思っていたのです。
いやー。本当におもしろかった。そりゃ賞取りますわ。映画にもなりますわ(未視聴です)
恩田陸さんの筆致はとても読みやすくて好きなのですが、『遠野物語』等々のところで〈ふろしきが広すぎる〉のを悪い意味で感じてしまうことがありました。本作に関しては、まったく別人が書いたような明解さ、爽快さがあります。
音楽を文章で表現するその極致。それはもちろんのこと、高島明石、マサル、風間塵、栄伝亜夜はじめ登場人物に「悪人」がいないのがとてもいい。苦悩も葛藤もあるけれど、悪意は無い。きらきらしている。
音楽をサブスクリプションで聞けるようになった時代で本当によかったと思う。読みながら、Amazon Music Unlimitedで「ラフマニノフ」とか「バルトーク」とか検索してみるのです。世界にはこんな色んな音楽があって、それを小説を通じて教えてもらうことができる。