十二国記 6 『図南の翼』

読み終わった本の記録。

どこを見ても「最高傑作」と名高く、まずここまでは読みたかった。前評判の印象を持ちすぎて読むのは良くないけれど、これは図抜けていた。

王を目指す少女の物語。恭国と黄海。明るく前向きになれる。

視点があちこちに行ったりしないし、登場人物や地名なんかの固有名詞も多くないから、まっすぐ素直に読める。気がついたら朝の5時でした。一度も本を置けなかった。そろそろいい加減朝型の生活リズムに戻さなくちゃいけないのに。

キャラクターの圧倒的な力。珠晶と頑丘のかけあいにはくすっとさせてもらえるし、利広の油断ならない感じが緊張感をもたらしてくれる。作中でおそらく重要となる「王のあり方」についての問答は、Fateの「聖杯問答」をちょっと思い出したりしました。王たらしめるものは何か、という問いはすなわち、自分の人生をどう決めるかという問いなのかもしれない。