中山七里『テミスの剣』

テミスの剣 (文春文庫)

テミスの剣 (文春文庫)

読み終わった本の記録。

これは傑作なのでは。正義とは。冤罪とは。各作品に出てくる渡瀬刑事、高円寺静の若い頃、昭和59年から始まる。時系列では彼らの前日譚にあたるはずで、彼らがどうやって出来上がったのかに違和感なく繋がる。

かの“どんでん返し”もさることながら、それに至る過程の組織との戦いや逡巡が面白い。あっちこっちいったりしないので読みやすい。抗い戦う渡瀬の背中はかっこいい。

過去作から周辺のキャラクターがたくさん出てくるようなので、ファンサービスの面も強そうですね。