- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/07/13
- メディア: 単行本
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読み終わった本の記録。
最初の数ページを読んで、そういえば女性を主人公にした作品ってなかったな、と思ったのですが、調べてみたらその通りのようでした。
移動デリを商う掛川夏都が、思いもしないきっかけでそれまで関わりのなかった世界と事件に巻き込まれて――。とてもテンポよく読める。むごいシーンや強烈な悪意は見えないので、快く読めるのも良かった。
しかしどうだろう、女性というものを少々、なんというかその一面的に強調しすぎではないかと感じてしまいました。思慮が足りないとか、思ったらすぐ口や行動に出てしまうとか、そういう面を描くのはよいと思うんです。しかしそれをことさら地の文で解説(回収)してしまうから、うーん?っていう引っかかりを感じてしまった。男女関係なく、普通の人間は不安定だったり思慮不足だったりするのは当たり前だと思いますし。もっと突っ走っても、あるいはもっと狡い部分があってもいいのになーと思いました。