井上真偽『その可能性はすでに考えた』『聖女の毒杯〜』

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

Kindle版で衝動買い。続けて2冊読んでしまった。

いわゆる「本格」というジャンルに自分自身の教養と素養がないので評価のしようがないけれど、つい続けて読んでしまったのはおもしろさの証左だと思う。

「奇蹟」の証明と、その方法論としての「仮説の否定」という舞台の設定はおもしろいと思った。

またキャラクターの設定が濃いので、アニメないし実写化向きの画面の明るさがあった。

ただ、小説というジャンルで後段〈箇条書き〉の羅列のようになってしまうのは、筆者の〈構想メモ〉をそのまま読ませられているような気分になってしまってどうかな…と感じてしまった。ただこれは自分の感覚が古いのかもしれない。文章と文学の表現方法を狭める必要はないと思うし、新しい表現方法なのかもしれない。最近の作品ではむしろ普通なのかもしれない。