フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

職場に「カバンは持たない。いつも文庫本一冊だけ持ち歩く」という、信じられないくらいクールな子がいます。

先日たまたま飲み会で一緒になったときに、読んでる本を見せてもらったら、これがまたSF小説で嬉しかったのです。(しかも古典!)しかしかっこよすぎるだろと思いましたよね。SF小説だけを携えて街を歩くってそれだけで画になりすぎるだろうと。

そんな影響を受けやすい私なので、図書館に行って借りてきました。海外作品の蔵書は多くないけれど、借りる人がそもそも多くないのか、結構選び放題ですね。

本作は(それを観たかどうかの記憶はありませんが)映画のイメージが強くて迷ったことを記しておきます。恥ずかしながら、映画のノベライズとかだと思っていたのです。

ただ全然イメージと違いました。恥を忍んで書きますが「小説」でした。

数編の中でも、『ジェイムズ・P・クロウ』『水蜘蛛計画』『追憶売ります』が良かったです。

特に『水蜘蛛計画』には衝撃を受けました。パロディというかメタというか、こういう書き方もあるんだなと。そしてそれがただのアイデアだけでなく小説的に面白く昇華されてるように感じました。わたしはてんで無知ですが、海外作品に詳しい人なら余計に楽しめるように思います。