東山彰良『流』

流 (講談社文庫)

流 (講談社文庫)

読み終わった本の記録。

ずっと読みたいなとは思ってはいつつ、その表紙の圧力、紹介のあらすじの硬さに、なかなか手を出せずにいたのですが。そんな食わず嫌いはさっさと改めるべきでした。

直木賞(満場一致)は伊達じゃない。ものすごくおもしろかった。久しぶりに夢中で読んでしまった。

台湾とその戦時から"現代"に至るまでを舞台に祖父の死とその謎を縦軸にしつつも、横軸の悲喜こもごもの鮮やかさ。「人生」における大小前後上下をこんなにも描けるってすごい。

綾辻行人『びっくり館の殺人』

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

読み終わった本の記録。

ひとから借りておったのですが、なかなか読めずに半年くらい経ってしまっていました。借りた本だと汚したり傷つけたりが怖くて家の外に持ち出せず…。お正月のお休みはちょうどよかったです。

祖父江慎さんによる単行本の装丁が美しい。外側よりも、本文組の書体の“不安定な”美しさ。かなりクセの強い〈和文かな〉と〈約物〉――特に句読点をかなりいじっていると思う。「館」の不思議な世界観をカタチからあらわすことになっていて、とてもいいと思います。

子供向け「ミステリーランド」の企画のひとつだったそうですが、内容はこれとても大人向きです。

本当のびっくり箱はなんなのか。本当の話者は誰なのか。

道尾秀介『背の眼』上下

背の眼(上) (幻冬舎文庫)

背の眼(上) (幻冬舎文庫)

背の眼(下) (幻冬舎文庫)

背の眼(下) (幻冬舎文庫)

読み終わった本の記録。Kindle版。セールで買ってずいぶんの間積ん読にしてしまっていまきた。