辻村深月『青空と逃げる』

青空と逃げる

青空と逃げる

読み終わった本の記録。

すごく心に残る作品だった。母と子の逃避行。ロードムービー

土地の風景と人の営みと時間の流れの描写が生き生きとしていた。新聞連載だから必然的に短い章が交互に続くところ、それを視点の切り替えとミスリーディングに用いるのが効果的に効いてる。

人っていいな、辛いことも多いけど暖かさや助けもそこにあるもんなんだなって思わせてくれる。終章は涙が出てきた。

伊坂幸太郎『死神の浮力』

読み終わった本の記録。

千葉シリーズの2作目。今度は長編。重いテーマながら、千葉さんの相変わらずの生真面目なズレた受け応えが軽妙で救われる。

一貫して死を描きながら、そうだな私なんかも死はいずれ誰にでも自分にもやってくるという諦観はある方なんだけど、不思議と「ああもう少しだけ力を入れて生きてみるのも悪くないかもしれないな」と感じさせてくれる読後感が良かった。