十二国記 4 『風の万里 黎明の空』上下

風の万里  黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

風の万里  黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)

風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)

読み終わった本の記録。

3人の少女の物語。どんどん世界が広くなっていく。

少女たちの置かれた立場とそこから生じる思いや感情が、その歩みとともに二転三転していく様。その描き方が丁寧で感動的。

上下巻という長編で人も地名も多くて一筋縄ではいかない。一気に読まないと正直「どこのだれだったけ」ってなる自信がある。3つの流れが合流して大きな流れになるラストは、すごく素敵だった。

十二国記 3 『東の海神 西の滄海』

東の海神(わだつみ)  西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

読み終わった本の記録。

雁の国の、王と麒麟。その出会いと国の再興。

これより前の作品に比べて、ずっと大人向けの内容になってるように感じる。用語の説明は少ないし、時代の基礎教養でさえそう。何より人の裡の暗部の描写がエグい。人と人があるからこそそこに生じる、羨望や嫉妬や虚栄心。善と悪に両断できない正義と正義のせめぎ合い。

歳をとってしまった私には、偽候の“道程”を掃いて捨てることはできないなぁと感じてしまった。

十二国記 2 『風の海 迷宮の岸』

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

読み終わった本の記録。

めっちゃいい。泣きそうになった。罪と罰。安寧と緊張感。ファンタジーのどんでん返し。

魔性の子』から直接連なる、泰麒の物語。設定も用語も人物も少なくないのに、これを無理なく読ませるのはもはや奇跡や御業の域ではなかろうか。漢字と響きのもつイメージを最大限に浴びているよう。

一つの事象に複数の呼称、複数の自称をまとめる一つの呼称が自然に理解できるのが気持ちがいい(あぁそう呼ぶようになるよね、という納得感)