荻原浩『押入れのちよ』

押入れのちよ (新潮文庫)

押入れのちよ (新潮文庫)

読み終わった本の記録。表紙が怖い。短編集。

作者のイメージから勝手に、もっと明るい感じの短編集を想像していたものの、全然違った。

明るかったり怖かったり悲しかったりとそれぞれのトーンが異なるので、一冊を通して何か、というのは少々難しいように感じる。世にも奇妙な物語ちっくだなぁと思ったり、どことなく星新一っぽい語りのドライさを感じたり。

決して長くないのだけれど、ひとつずつがズシンズシンと重い。色々な小説を読んできているけど、ふとした時に思い出すのはこういう短編のうちの一編だったりする。


  • お母さまのロシアのスープ
  • コール ☆☆
  • 押入れのちよ ☆☆
  • 老猫
  • 殺意のレシピ
  • 介護の鬼
  • 予期せぬ訪問者
  • 木下闇 ☆
  • しんちゃんの自転車 ☆

どうしましょう。Firefox65のコンテンツブロッキングが素敵です。

www.itmedia.co.jp

ご多分にもれずChrome一派に取り込まれているのですが、最近のFirefoxはすごい。直近でバージョン65が出ていますが、これがすごいですね。

記事にある「コンテンツブロッキング」を〈厳格〉にしてみたところ、それだけでかなりの広告が消え去る。μBlock(Adblock)とか動作させていないのに。追跡云々などあまり気にしてこなかったけど、お前もだったのか!的な勢いですごい消え去る。このはてなブログでも記事末尾の広告とかがキレイに消えてる。すごい。

「能動的に広告ブロックを導入していないのに」という点がキモである。フリーライダーとか謗られる罪悪感がない。

なんか知らないけど(知ってるけど)ブラウザが勝手に(勝手にじゃないけど)消しちゃってるのかな? 知らんけど。いやワシはDo Not Track言いたかっただけやし――という文法が成り立つ点がキモである。

一部のサイトが正常に動作しない場合があるということだけれど、自分の狭い観測範囲では別に問題なく表示されているように思う。TwitterとかAmazonとか普通に見られるし。Amazonで買い物もできたしMusicも再生できたし。正常な動作でなくても、自分が困るまではそれが「正常」だとしか思えないですしね。

iOS版のFirefoxも出来が良くて試してます。Mozilla応援の機運が高まっています。

中山七里『ヒートアップ』

ヒートアップ (幻冬舎文庫)

ヒートアップ (幻冬舎文庫)

読み終わった本の記録。

ハードボイルド・バイオハザード・アクション。『魔女は甦る』の後日編・続編。単体としても読めるとは思うけれど、これは順番に読まないと正直分からない部分が多いように思う。

本作ではジェットコースターの先に「おっ?!!」というラストを用意してくださっているので『魔女〜』よりすっきり感が強い。ただ、ほかの人物・背景に比べて〈情報〉の秘匿・偏りが大きいので、そういう意味ではちょっとフェアじゃないかなーという気もしました。

前回の主人公もそうでしたが、本作の七尾も然り、言葉遣いが美しいですね。自分を含めてわたしの周りにはここまでキレイに敬語やそれに類する表現を使いこなす人がいないので、描かれる場面や状況とは別に、主人公たちの品の良さに惹かれてしまいます。