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道尾秀介『骸の爪』

骸の爪 (幻冬舎文庫)

骸の爪 (幻冬舎文庫)

シリーズものだということを知らずに手にとってしまいました。早く『背の眼』を読まなければならない。真備庄介と道尾秀介の「霊現象探求所シリーズ」の2作目にあたる作品とのこと。

仏像をテーマにした作品で、「准胝観音」が出てきたくだりで「あれ? なんか読んだことあるような気がする」と思ったら、森絵都風に舞いあがるビニールシート』の一編『鐘の音』でした。

わたし自身は仏像にまったく詳しくないので、それはもう「へぇ。そういうもんなんだー」と感心しながら読むしかなかったのですが、著者はこの分野に非常に造詣が深いそうですね。

ミステリーでありつつホラー寄り?と言えると思うのですが、怖い・気味が悪い描写がさすがに上手でした。同じ著者の作品を読んでしまっていると「おっといけない、この描写にだまされないぞ」という意識がついてまわってしまうのが難点といえば難点でしょうか。

とはいいつつ、相も変わらず敷き詰められた伏線が、小さな波、大きな波、去ったと思ったらまた波……というように展開する中盤以降は圧倒的です。