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辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

圧倒的な女の物語。著者が女性であることが残酷なほどの説得力を持たせてる。

女同士の地位争いを描き「マウンティング」なる言葉を世に知らしめた、ドラマ『ファーストクラス』が記憶に新しいけれど、それとはまた違う。明確な悪意や嫉妬でも、それをもとにする作為・不作為でもない。

もっと静かな、本人でさえ自覚できないほどの「女」についての描写がすごすぎる。

「わたしはあの子と違う」からこその自信と孤独。「あの子はわたしと違う」からこその憧れと嫉妬。チエミとみずほを中心としながら、彼女たちに向けられる視線を(小説に対して可笑しな言葉だが)正確に描ききっている。

自分の中の性差別というか「あるべき感」にも気付かされました。「え、そこまで書いちゃっていいの? 女なのに?」みたいな。

正直、序盤〜中盤の畳み掛けがすごすぎて、後半ちょっと寂しく感じてしまいました。(普通は逆だろうから、そういう意味で珍しい)