『NOVA4』

寒くなりましたね。もう冬ですね。まだぎりぎり読書の秋だと言い張りたくてコートは着ていませんが、仕事が忙しくて(まーまた職場でイライラすることが多くて)また酒の飲み過ぎでした。文字の上を目が滑ってしまう。

そんななかで読み終えました。先ほど。いままで読んできた1〜3のNOVAに比して今のところ一番好きかもしれない。

京極夏彦『最后の祖父』はさすが。素晴らしかった。世にも奇妙な物語みたいな読後感だけど、ひしひしと暗いものが忍び込んでくる描写が秀逸でした。

斉藤直子『ドリフター』はハートウォーミングでヒネリが効いてる。林譲治『警視庁吸血犯罪捜査班』は王道で好き。長編とか連作でイケるんじゃないかと思うのですが、ガチのSF好きには物足りないのでしょうか。森田季節『赤い森』、森深紅『マッドサイエンティストへの手紙』を含めて、この辺は入りやすい感じで良かったです。

最果タヒ『宇宙以前』、山田正紀『バットランド』は、例のあの感じですわ…。話者がわからぬ。星、空、花、音、闇、拳銃そして突然の量子もつれ!それでも前者はファンタジーに、後者はハードボイルドに振れていて読めなくはなかった。読んだけどわたしの頭が悪くて描写ができない。

一番気に入ったのは竹本健治『瑠璃と紅玉の女王』です。エロくてオシャレ。いわゆるSFと見てしまうとジャンルのくくりは分かりませんが、この文体に不思議とぐいぐい引きつけられました。