ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりまさりつつあるのだ。

夏への扉

夏への扉

タイトルと導入部、そして終盤の怒涛の展開にやられた。名作はやはり名作だったというか、おもしろかったです。

いろいろなアイテムというかギミックが出てきたけれど、文化女中器がルンバそのもの!と思ったときに「あぁわたしはいま未来に生きているんだ」と実感しました。

何気ない伏線が美しく回収されるところには感動さえ覚えます。とくに網戸!そう網戸。

冷凍睡眠とその時間の経過を念頭に置いた、株や投資のくだりの丁寧さにはさすがにちょっと理解が追いつかない部分があったけれど、それはSFにリアルさを与える舞台装置なのでしょう。(もちろんそれだけでなくむしろ重要な部分なのでしょうが)