罪の有無や言動の善悪に関係なく、暴力は必ず振りかかる。それに対抗する手段は、暴力しかない。道徳、法律、宗教、そんなものに救われるのを待つのはただの馬鹿だ。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/26
- メディア: 単行本
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衝撃的な作品でした。暗い奔流。三浦しをん作品にハートフルなイメージができあがってたタイミングで読んでしまって、ちょっときつい。
タイトルに違和感はあったんですよ。だって『光』ですよ。何作もヒットを出してる作家が、漢字一文字のタイトルを選ぶのは危ない。
朝読みはじめて、寝る前にもうちょっと読み進めようと思ったら止まらなかったです。3時過ぎに読み終わったんですが、そこから2時間くらい心がざわついて眠れなかった。
早めに吐き出さないと差し支えそうで、通勤中にiPhone関連のニュース飛ばしてiPhoneで書いてますけどね。
「暴力」が主役です。
自然が人間に。男が女に。親が子供に。被害者だったものが加害者に。そういう、救われないものを真剣に描いている。中盤以降のたたみかけかたが凄まじくて、胸が苦しい、目を背けたいのに、読まずにはいられない力がありました。
蛇足。
図書館って皆さん行かれますでしょうか。最近のわたしの読む本は図書館のものばかりなんですけれどもね。
- 本を置くスペースがない
- 放置した本から紙魚が湧くのが怖い
- 日曜日に引きこもらない理由になる
というもろもろの理由です。それでも本が読めるってすばらしい。
で、その図書館の本ですが、いつからか、単行本の扉のページに「帯」を切って貼っておいてくれるようになったんです。地域性もあるでしょうか。たぶん、表紙カバーにあらすじを入れられる文庫に対して、帯を外した単行本は内容を想像する術がないからだと思うんですけれど。
帯ってよく変わるから、歴史的な資料として興味深いですよね。