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三浦しをん『悶絶スパイラル』

悶絶スパイラル

悶絶スパイラル

日ごろ、小説か新書ばっかり読んでいて、こういう「エッセイ」を読むことはほとんどなかった。

で、これがおもしろかった。図書館で借りてきた日に読みきった。

ブログと何が違うんだと考えるとそれは難しいけれど、本として販売する以上、読む人を楽しませようとする気持ち、読ませる力はプロ作家(と編集者)のそれと素人のそれとは違うんだろうなと思った。

何作か読んだけれど、その内容からは想像の及ばない人間性の発露があって、余計に好きになる。本と漫画の守備範囲(主にBL)がすごい。

この本の巻末でBoiled Eggs Onlineという場所を知りました。ここにエッセイのコーナーがあるのです。というかその連載を編集したのがこの『悶絶スパイラル』になったようなのですが。

これまでgooやFC2のブログのサービスを渡り歩いてきて、ここはてなに来てからもそうですが、ブログサービスにはもれなく「お題」という仕組みがあるのが不思議だったんですよ。「ブログなんだから好きに書いたら良いじゃないか」って思ってたんです。でも、先のサイトにも「お題」があって、それをテーマに幾人かでエッセイを書いている。

ああ、そうか、自由に書けと言われても書けないもんだよね。とこの時はじめて合点がいった。「お題」に対する見方が変わりましたね。これは必要なものだったんだと。

考えてみれば、プロの作家だってその全てが自由に書き始めているわけではなくて、きっと会社や編集者から「今回はこんな感じで」みたいな指定があるんだろう。プロの批評家だって、「これについて書いてください」みたいな依頼があって書くんだろう。

それに対して小市民のわたくしです。「書ける」などと何を思い上がっていたのでしょう。なおさら外圧を借りなければなりません。今後はもう少し積極的に「お題」の力を借りてやろうじゃないか、と思いましたね。

本の内容とは全然違うところに着地しましたが、自分の視点を変えてくれる本に出会えることはそう多くない。素敵な体験でした。